家猫の祖先は砂漠地帯に暮らしていたと考えられています。
このため、猫は少ない水でも生きていけるように尿凝縮率が高くなっておりあまり水を飲みません。
ただし、病気や高齢の猫は通常よりも水を多く必要とします。猫の状態を観察しながら適切な量の水を与えるようにしましょう。
猫は1日に体重1kgにつき60〜70mlの水を必要とすると言われています。
従って、体重が4キログラムの猫であれば240ml〜280mlの水を与えなければなりません。
もっとも、猫は餌からも水を摂取するため必ずしもこれだけの量の水を飲むわけではありません。
例えばドライフードの10%は水分ですので100gの餌を食べれば水を10ml摂取している計算になります。
餌から取り入れる水を除くと猫の体重にもよりますが、大体毎日200ml〜320mlの水を用意すればよいでしょう。
なお、ウェットフードは水分がたくさん含まれていますから、こちらを使っていれば水をほとんど飲まない場合もあります。
猫がこれよりも水を飲むときは病気かもしれません。また、年を取って腎臓の機能が低下した猫はより多くの水を必要とします。
硬度の高い水は要注意です。高度の高い水にはカルシウムやマグネシウムなどさまざまな成分が入っていますが、
この中で特にマグネシウムは下痢や尿結石の原因となります。
一般に1Lあたり100mg以上ミネラル成分が含まれているものは硬水、100mgより少ないものは軟水に分類されます。
ヨーロッパのミネラルウォーターは硬水のものが多く、なかには1Lあたり1,000mg以上ミネラル成分が入っているものまであります。
これに対して国内のミネラルウォーターはほとんどが軟水です。従って、猫にミネラルウォーターを与えるときは
国内産のものを選んだほうが賢明です。
ちなみに、水道水は軟水ですので安心して与えることができます。
猫に水を与えるときは水道水であれ浄水であれ新鮮なものを与えるようにしましょう。
常温で水道水を放置しておくと24時間で雑菌が10倍以上に増殖します。さらに48時間放置すると100倍にも膨れ上がります。
雑菌の入った水を与えると下痢の原因になりかねませんから置き水をするときはこまめに取り替えるようにしましょう。
もっとも、働いていると水を取り替える時間がないときもあります。そんなときは純水が便利です。
純水は高度な技術で水をろ過してウイルスやミネラル成分などの不純物を除去してあるので水が腐りにくくなっています。
24時間過ぎても雑菌がほとんど繁殖しないと言われており時間が経っても猫に安全な水を飲ませることが可能です。